学校では教えてくれないこと

組込みというお仕事

2006.5

「学校では教えてくれないこと」のコラムを担当するビリーです。

ボクは15歳からC言語のプログラミングを学んで、大学院で情報工学を専攻して、それなりにコンピュータについて勉強してきたつもり。だけど、実際に会社で組込みの世界に入ってみると、分からないことって結構たくさんあったんだよね。

組込みソフトウェア開発の基本的なところから説明していくから、読んでみて。

さて、今の時期は就職戦線の真只中だね。
(株)ダイヤモンド・ビッグアンドリード社が調査した「大学生が選んだ就職先人気企業ランキング2006」を見てみると

大学生が選んだ就職先人気企業ランキング2006

★がついた企業はどれも業績好調な家電・自動車の製造メーカですね。

でも、その業務内容として「組込み」機器の開発が大きなウェイトを占めていることは、あまり意識されていないだろうね。

「組込み」機器の開発に携わる企業は意外と多いんだ。家電メーカや自動車メーカなどモノづくりをしている企業は、どこも「組込み」開発をやっていると言っても過言ではないんだ。ボクも、就職するまでは「組込み」という言葉は知らなかった。

大学の研究室でロボット制御のためにVxWorksというリアルタイムOSを使っていたことがキッカケで、今の会社に入社したんだ。そこで「組込み」向けミドルウエアの開発や移植というお仕事をやることになったのだけど、いきなり最初から壁の連続だったよ。(^-^;

組込み向けのソフトウエア開発というのは、暗黙のルールや細かいノウハウが多くて、さらにプログラミング言語に関する深い知識が当然のように要求される、とても厳しい(ディープな)世界だった。授業で習ったキーワードでも当然のように異なった意味で使われていたり、何気ないソースコードの記述が原因でまったく動かなくなったりするんだよね。それなりにコンピュータには詳しいつもりだったけど、残念ながらこれらの知識だけでは太刀打ちできないことを実感させられた。

もちろん、「組込み」に限らずどんな職種であっても、一通り仕事をこなせるようになるまでには、時間をかけて経験を積む必要があると思う。でも、個人的には、大学などの教育機関でもっと「組込み」技術について教えてくれればよかったのに…という気持ちがあったね。

ボクが担当するこのシリーズは、そんな学校が教えてくれない「組込み」ならではの難しさや面白さを、毎回テーマを決めて分かりやすく紹介してみようという企画なんだ。では、はじめま~す!

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